自転車とiPhoneは非常に相性がいいのだが、問題はiPhoneをどうやって自転車に装着するかである。GPSも使うし、ときどき地図も見たいし、となるとハンドルバー近辺に装着したい。いくつかそういうホルダーは出ているが、独リヒター社のマウントシステムがユニークで面白い。ホルダー部とマウント部が独立しており、両者の組み合わせで様々な使い方ができるのだ。今回、「iPhone 3G ジャケット・グリップ」というiPhone 3G専用のホルダーが登場したので「自転車+iPhone」というカップリングを試してみた。
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これが「iPhone+iPhone 3Gジャケット・グリップ+バイシクルマウント」 |
ジャケットだけでは何の役にも立たないわけで、別途マウントが必要だ。今回使ったのは自転車用のもっともシンプルな「バイシクルマウント1」。マウントの4つの爪を使って、ジャケットを装着する。この4つの爪がポイントで、iPhone 3Gジャケット・グリップの4つの穴を合わせてガチッとはめこめば準備完了である。
まずマウントをハンドルに取り付ける。わたしの自転車はこの手のガジェットをすぐ取り付けられるよう、ステムに拡張グリップがついているので、そこに装着する。マウントは2つのネジで留める。太さ調節兼滑り止めのゴム板が2枚付属する。対応するハンドルバーの径は20〜30mm。ゴム板を2枚フルに使うと20mmという細いバーもOK。
ゴム板は取り付けるハンドルバーの径に合わせて使うマウントは2本のネジで留めるのでねじ回しが必要だ。穴にドライバーを入れるとちょうどねじ山にハマる構造になってるのがよくできてる。
携帯用工具で装着してみたところ、意外に簡単で、すぐ装着できる。まず仮止めしてから、角度調整して本締めするのがコツ。重要なのは締めるときの角度。自転車にまたがったとき、画面が見やすい角度にマウントを固定すること。固定したら、あとは4つの爪に合わせてグリップをがちっとはめ込むだけである。
このジャケットグリップは形状がiPhone 3Gに合わせてあるし、飛び出し防止用のレストが伸びているので、あとはiPhoneをすぽっとはめればOK……のはずが、ジャケットがゆるすぎる。遊びが多くて、走るとカタカタ音がするし、ちょっとした段差でiPhoneが飛び出そうになる。販売元に尋ねてみると、「実は車載メインで考えていたので、キツく作ってない」、「iPhoneユーザーは本体に傷が付くのを嫌う傾向があるので、滑りやすく作っている」という話。
こんな風にiPhoneがスマートにすっとおさまる。見た目的には非常に無駄がなくてよいよい。
それは困った。で、対策を考えてみた。バイシクルマウントについてくるようなゴム板をジャケットとiPhoneの間に1枚挟んでみたのである。すると、その分ぐっと圧迫されて、iPhoneが安定し、がたつきがなくなり、ちょっとした段差でもOKになった。今回は厚みが1.5mmで幅が25mmのゴム板を使ったが、これ以上幅があると、あるいは厚みがあるとキツくて出し入れが困難になりそう。でもゴム板ははさみで簡単に切れるので、1〜1.5mm厚のゴムを使って適当なサイズのを作り、マウント側に貼り付けちゃうのがお薦め。iPhone 3Gジャケットグリップは見た目もスマートでシンプルなのでぜひ使いたいのだが、自転車に付ける場合は上記のひと工夫は必須だ。
そこさえクリアすれば、他のどのマウントよりもスマートに付けられるし、ホルダーを取り替えれば、デジカメもケータイもつくというリヒターマウントシステムの良さも味わえる。もし、ゴム板を自分で用意しないとダメっていうのが納得いかないなら、別途、汎用のホルダーを使えばよいだろう。
これは同社のミニグリッパー(HR-1230)。これを使ってiPhoneを装着し、両側のストッパーをぐっと締めてやれば問題なく使えるし、ドックコネクタも見えるので予備バッテリをつないでおくこともできる。iPhoneを装着できるグリッパーはいくつかあるので、好きなものを選ぶといいだろう。
これでも両脇と下しか支えてないので、石畳の道を走ったり、悪路を走るとiPhoneがずれて落ちそうになるかもしれない。それを防ぐには輪ゴムをかけちゃう……のは手軽でお薦め。見た目は悪いけど。
最悪、こうすれば……けっこうしっかりはまります。スマートじゃないのが欠点。
あるいはiPhoneにストラップを付けられるジャケットを着せ、ストラップをマウントにくくりつけて命綱にするというのもいい。いずれにせよ「落下防止策」は自分ですること。もうひとつ、走りながらの操作はしないこと。危ないから。さらに、これにヘッドホンをつないで走りながら音楽を聴いたりしないこと。ヘッドホンを着用して自転車に乗るのもダメ(改正された「交通の方法に関する教則」で「ヘッドホンの使用等による周囲の音が十分聞こえないような状態での走行をしないようにすること」と明記されている)。
リヒター社がiPhone 3Gジャケットを改良して「振動で落ちることが絶対にない、自転車でも安心な新型ジャケット」にしてくれればいいんだけどね。
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協力:荻窪圭(GPSで変わる自転車ライフ:ASCII.jp) |