IE7は、バランスドアーマチュア型のイヤホンが多い近年のハイエンドモニターヘッドホン市場では珍しく、ダイナミック型の新製品となった。元々バランスドアーマチュア型では低音域が不足したり、再現性が低くなりがちで、デュアルドライバ化でカバーするなどの対策をしている場合が多い中、ダイナミック型の新製品と言う事もあり非常に興味深く試用した。

	一見、かさばり耳に収まりにくそうな形状に見える筐体デザインは、実は人間工学設計に基づいてデザインされ、耳への収まりやフィット感は非常に良い。 小柄な女性の耳にもフィットする他、複数の形状、素材、大きさのイヤーピースが選択可能で、多くの人にとって最適な装着感を提供する。また、イヤーフックが付属しており、これにケーブルをはめ込ませて耳の裏側に引っかけるようにすることで、落下防止や装着安定性向上が見込める。
	付属品 ・イヤーピース 　(S/M/L) ・ラメライヤーピース 　(S/M/L) ・ウレタンイヤーピース 　(S/L) ・キャリングケース ・イヤーフック ・ケーブルクリップ ・クリーニングツール

音質的には、低音がしっかりとでていて迫力あるサウンドが楽しめる他、中高音域での再現性も高く、バランスのとれた仕上がりとなっている。収まりの良い形状と複数のサイズ、形状、素材のイヤーピースによりフィット感も高く、歩きながら音楽を聴く場合においても非常に安定した装着感が得られる。また、L型のジャックコネクタは、iPod/iPhoneをポケットなどに収納する際にもコンパクトに収納でき、ケーブル折り曲げなどによる断線の危険性も少ない配慮になっている点が嬉しい。

付属品を収納できるキャリングケース	L字型ヘッドホンジャック

音質的にも、使い勝手でも非常に満足なのだが、敢えて難点を言うとすれば、キャリングケースのサイズだろうか。確かに、予備のイヤーピースやクリーニングキットが収納でき、持ち出した先でのカスタマイズやメンテナンスができると言う点では非常に便利だが、普段使いや旅行などを考えるとかさばるのが残念だ。「CX 6 Travel」に付属のコンパクトなキャリングケースなども用意されていると嬉しい。

人間工学設計に基づいてデザインされたフィット感の高いハウジング形状

総合的にみると、フィット感もよく、最初からバランスの良いセッティングとなっており、エントリーモデルからのステップアップとしては最適なモデルと言えるだろう。また、ハイエンド指向の人にとっては、リファレンス用として活用しても耐えうる性能を発揮してくれると思う。良く聴く音楽とリスニング環境の指向がマッチする場合には、是非試してもらいたい。

実売30,000円前後の価格ながら、総合的には価格以上の満足感が得られる。イヤホンを収納する型抜きされたケースや、左右のイヤホンが絡みにくいように分岐部分を処理されたケーブル、高級感を感じさせる素材など細かな部分での作り込み、利便性の高さはゼンハイザーの名に恥じない。ハイエンドイヤホンを検討している人には、是非一度使ってもらいたいモデルだ。

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