ScanSnapは連続給紙>自動スキャンを行うドキュメントスキャナである。アバウトに言うなら、家庭用FAXを相手に送る代わりにデータ化してパソコンに保存するもの、と言ってもいい。データは目的、用途によってPDFもしくはJPEGで保存する。ドライバソフトが共通であることからもわかるように、両者の差は速度や給紙量といったハードウエアに依存するものが中心となる。S300MとS510Mとで仕様の違いをポイントにしてまとめてみた(表1)。
表1:ScanSnap「S510M」および「S300M」機能比較表 |
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S510M |
S300M |
サイズ(横幅x奥行x高さ)mm |
284x157x158 |
284x95x77 |
重さ kg |
2.7 |
1.4 |
USBバスパワー駆動 |
× |
◎ |
撮像系 |
CCD |
CIS |
最大読み取りサイズ |
A3(注1) |
A4 |
最小読み取りサイズ |
50.8 x 50.8 mm |
同じ |
A4 読み取り速度 (注2) |
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ノーマル (枚数/分) |
18 |
8/4 |
ファイン |
12 |
6/3 |
スーパーファイン |
6 |
4/2 |
エクセレント |
0.6 |
0.5/0.5 |
原稿搭載枚数(最大) |
50 |
10 |
対応原稿厚み |
52〜127kg/u |
64〜104.7kg/u |
Acrobat 8 Professional |
◎ |
× |
実売価格 |
49,800円 |
29,800円 |
※注1 A3キャリアシート使用時
※注2 S300MはAC駆動時/USB駆動時 |
ScanSnapはイージーオペレーションが特徴的な製品で、スキャンボタンを押すだけで、原稿のカラーモノクロを自動判別し(手動設定も可能)、セットされた複数枚の原稿を「両面同時に」自動原稿送りを行いながらスキャンする。 この基本機能の部分ではS300MとS510Mに違いはない。
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S510M(上)とS300M(下)の大きさの比較。
S510Mの方が設置面積が広いように思えるが、ドキュメントフィーダーを展開すると、その差は小さくなる。 |
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S510M(上)とS300M(下)の背面ポートの比較。
S300MのUSBポートと電源ポートは一カ所にまとめられており、バスパワー駆動の際に配線がとり回しやすいようになっている。 |
サイズについては写真の方が分かり易いだろう。体積イメージで約3倍、重量では約2倍の差がある。ただし、実際に使用するときに要する設置面積はあまり変わらない。S300MとS510MはMac専用モデルとはいえ、ベースはWin用に作られたS300およびS510である。そのためハードウエアスペックはそれらに準じるのだが、パーツのカラーリングを専用のものとしているのはMacモデルに力が入っているがゆえか? S300MとS510Mの大きな相違点として、S300MはUSBバスパワー駆動可能なことがあげられる。出先でAC電源が確保できないところでも使用可能なのは大きなアドバンテージなのだが、注意すべき点としてパソコン側にUSBポートが2ポート必要になる。つまり、通常でS300MとMacをUSBで繋ぐが、それにプラス1本、MacのUSBとS300MのACアダプタ端子を専用ケーブル(同梱)で結ぶ必要がある。MacBookAirでは使えない(笑)だけでなく、他のUSB機器の併用はできない。またUSBバスパワー駆動時にはスキャン速度が約半分に低下する(比較表参照)。
光学系/撮像系も異なる。 グラフィック系のフラットベッドスキャナと異なり、そこまでの画質をドキュメントスキャナに求めるのは木を見て森を見ずになってしまいかねないが、S300MとS510Mの画質、とくに文字の読みやすさや中間色データの出方については、次回、テスト結果をレポートしたいと思う。
連続紙送りが可能な枚数が大きく違うのが、用途の向き不向きのひとつのポイントになりえよう。ワタシ*は大学教員でもあるので、学生にレポートを作成させることも多い。1クラス分のレポートをまとめてPDF化できるS510Mは魅力的だが、一方で必要なときだけ大学に持ち込むのが苦にならないであろうS300Mも捨てがたい。このあたりの実際の使用感やケーススタディが次回の主要な部分になる。同時に、対応する原稿の厚みの差はスペック上は大きくないが、実際の原稿送りのスムーズさ、紙詰まりの有無、を含めた数字に出にくい部分もレポートしたく思う。
続く
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協力:mono-logue |