通常の展示会とは異なり、「特機展2012」では、TV番組やライブ映像などの撮影を手がける技術会社「スウィッシュ・ジャパン」が自社のスタッフ、機材を用いて本番と同様の環境を構築し、デモンストレーションをオペレートする様子を見る事ができた。
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SUPERTOWER 17 |
逆さ吊り、ドリー搭載も可能 |
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最大1.2m/秒で昇降可能 |
今回の目玉は、ドイツ「RAIL & TRACKING SYSTEMS Inc.」のオリンピックなどでも使用された実績がある特機の数々。オリンピックやサッカーなどのスポーツ中継の他、ファッションショーや音楽ライブなどの撮影、プロモーションビデオでも使われていると言う。
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SUPERTOWER 12 |
逆さ吊り、ドリー搭載も可能 |
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耐荷重最大40kg、高さ1.4m〜3.8mまで対応
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最大1m/秒で昇降可能 |
展示の中心は、SUPERTOWERシリーズで、3種類の高さがラインナップされている。専用の移動車や、同社のトラッキングシステム「TRACKRUNNER ENT」と組み合わせる事で幅広いカメラワークが可能になる。
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SUPERTOWER 6 |
TRACKRUNNER ENTと併用可能 |
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耐荷重最大30kg、高さ0.9m〜1.9mまで対応
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TRACKRUNNER ENTは、4.5m/秒で移動可能 |
オペレートは、ドリー部とカメラ(パン、チルト、ズームなど)の2名体制で、ジョイスティックもしくはフットペダルにて行う。
1時間おきにファッションショーでの実演を想定したデモンストレーションが行われ、生のオペレートデモを見る事ができた。個別の機材を見るだけでなく、本番を想定した状況でのデモンストレーションは、機材の特性や映像効果を理解するのに非常に役に立った。
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ROPE CLIMBER |
オペレートの様子 |
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TRACKRUNNER ENTと併用可能 |
その他、つり下げ式の「ROPE CLIMBER」、コンパクトなトラッキングシステム「LITE TRACK」なども展示、デモされていた。「ROPE CLIMBER」は、ドリーなどと組み合わせる事で、空撮のような映像を撮る事が可能。「LITE TRACK」は、サッカーのゴール裏や、ステージ上に設置しても目立たず設置でき、効果的な映像が撮影できる。
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LITE TRACK |
シンプル、コンパクトで短時間の設置を実現 |
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最大速度2m/秒で、最長10mのレール設置が可能 |
その他機材として興味を引いたのは、日本捜索光研株式会社のリチウムイオン蓄電池「ENERU」だ。約2,000Whの蓄電容量を持ち、700Wと1000Wの2モデルがある。充電時間は、AC利用時で約4時間。24Vの入力に対応しており、大型車の電源もしくは太陽光パネルからの充電にも対応。200Wの太陽光パネルを使用した場合、晴天時で8時間〜10時間で満充電が可能だと言う。IPX4の防滴仕様で、雨の日に屋外で使用するという状況にも対応。屋外ロケや災害時の中継などにも役立つ。
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ENERU |
インバーター(黒)と蓄電池(青) |
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カーボンケブラーボディで電磁波を吸着 |
0-100%の使用で2000〜3500サイクルの長寿命バッテリーを採用。10年後の実用バッテリー効率は新品時の65%だという。特機向けのポイントとしては、外部インバーターを併用する事で、三相200Vに対応している。外部インバーターには、6台まで蓄電池を接続でき、最大20,000Whの蓄電容量を確保する事が可能だという。その他の特徴としては、カーボンケブラーボディで電磁波を吸着するので、映像や音声にノイズが入るのを防ぐ他、医療現場での使用も可能になっている。他の特機は基本レンタルだが、こちらの蓄電池は販売も積極的に行って行くと言う。詳細な情報などは「スウィッシュ・ジャパン」まで問い合わせて欲しいとの事。
特機展2012では、一般人が普段目にする事の出来ない機材が、実際の映像制作においてどのように使用されているかをプロのオペレートで見る事ができたのが、他の映像機材展と大きく異なる点で、収穫だった。通常このような特機は、購入するケースは少なく、所有している技術会社からオペレーター込みでレンタルするのが基本なので、オペレーターのスキルもあわせて確認できると言う意味で非常に有意義な展示会であったとも言える。映像機器展の中では異色ではあったが、災害時の家電、事務機器、PCなどの非常電源として使用できる大容量蓄電池も大変興味深かった。 |