韓国の携帯電話事業者SKテレコム新規事業部門(プラットフォーム事業)を分社化して設立された「SKプラット」は、韓国国内で最大級のAndroidアプリストア「T Store」を運営している。今回、世界展開に際して新ブランド「qiip(キップ)」を立ち上げ、日本市場に参入する。
SKプラネット代表取締役社長 ソ・ジンウ氏
まず冒頭で、SKプラネット代表取締役社長ソ・ジンウ氏より挨拶があり、同社の成り立ちやスマートフォンのプラットフォーム市場に関する概要の説明、今回の日本市場参入に関しての意気込みなどが語られた。同社サービスは、韓国内では「T store」という名称で1000万人以上のユーザと20万のアプリ数を誇りアジアNo.1の規模だという。
日本市場に関しては、世界展開の第一歩として日本を重要な市場と認識していると言う。GREEとは、日本で初めてのパートナーになったので、長くつきあってゆきたい。「梅干しと友達は古い程よい」ということわざを引用して、パートナーシップを強調した。
SK TOKYO office マネージャー チェ・ウソン氏
続いて、SK TOKYO office マネージャー チェ・ウソン氏より、「SKプラネットの事業戦略とアプリケーションストア「qiip」について」の説明が行われた。
まず、「T store」の実績としては、韓国国内では売り上げにおいて、Androidマーケット、Appストアを抑え、過半数を占めており、毎日5000個のアプリが登録されている事、オープン当初と比較して、売り上げは100倍以上の成長になっている点などを紹介。サービス開始から2年あまりで急成長した過程の紹介があった。続いて海外展開へのキーワードとして、PDF/Lを掲げた。P:Premium、D:Divercity、F:Freedom、そして、L:Localizationとして、それぞれのポイントを解説した。
P:Premiumとしては、独自のウィルスチェック体制、審査などを挙げ、独立系Android Marketで懸念されるセキュリティや品質面において、問題がない事をアピールした。D:Divercityとしては、オープンであることを強調。韓国においても、系列のSKテレコムだけでなく、他のキャリア向けにもサービス展開しており、個人デベロッパーから大企業まで幅広く参入を歓迎している点などを説明した。F:Freedomとして、デベロッパーや事業者だけでなくユーザにとっても自由度が高いことをアピール。キャリアに縛られず、MNPや機種変をしても一度購入したアプリを継続して使用できる点や、多様な支払い方法などユーザ視点に立ったサービスである事を紹介。最後に、海外展開としての重要なポイントとしてL:Localizationを挙げ、その国に応じたローカライズを大切にし、その国の企業として受け入れられたいという姿勢を示した。現地言語への翻訳にとどまらず、文化や法律、様々な規制などに関してもその国にあわせて対応するという。「スマートフォンNo.1国家のNo.1マーケット(チェ氏)」と、自信をのぞかせた。
グリー株式会社 事業推進本部 国際事業開発部 部長 小林 大祐氏
その後、グリー株式会社 事業推進本部 国際事業開発部 部長 小林 大祐氏より今回の提携に関して、またSKプラネットとの提携に関しての説明、事業戦略の説明があった。グリーとしては、韓国モバイル市場には、アジア3大モバイルマーケットであること、オンラインゲーム、モバイルゲームのユーザが多い事、SNSの利用が盛んで人との関係性を重視するなど、グリーに最適な市場であると説明があった。そして、SKプラネットは日本での展開、グリーは、OpenFeintの買収や大人気のソーシャルゲームコンテンツを持っており、SKプラネットは韓国を代表するモバイルコンテンツ流通企業ということで、韓国のユーザへの浸透が容易に行えると言う点で相互に戦略的パートナーとしてMOU締結する事になったという。
「qiip」においては、グリーおよびOpenFeintのソーシャルゲームを特別セクションを設けてもらって、コンテンツ提供を行うとの事。グリーにおいては、同社が運営するアドネットワークを通じてサービス紹介が行われると言う。今後の展開として、2011年4月に買収した、OpenFeintとグリーを統合したワンプラットフォームの提供を2012年より開始すると言う。それに伴い世界各国のプラットフォーム、キャリア、ゲームデベロッパとの協業を進めていくとの事。それにより、自社(OpenFeintを含む)の約1.5億ユーザに、提携各社を加えた約9億ユーザへリーチするプラットフォーム、エコシステムを展開すると言う。
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「qiip」のアプリを起動して、利用する |
ジャンルやカテゴリ分けされており探し易い |
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ビギナーでも使い易いインタフェースを採用 |
多様な決済方法を採用 |
アプリケーションストア「qiip」について
1.世界的に有名なゲームや人気ガールズユニット「KARA」のアプリなど、多彩なコンテンツを提供
2.クレジットカードやWeb Money、auかんたん決済など、様々な決済方法に対応。
3.すべてのアプリは、販売前に事前テストを実施し品質を管理。
4.1つのIDを最大5台の端末で共有できる。
5.アプリの検索から購入、ダウンロードまで、すべての機能をqiip内で提供。
6.docomo,auのスマートフオンに対応。一度購入したアプリは、キャリアを変えても無料で再ダウンロード可能。
7.SKプラネット独自のARM (Application Rights Management)システムで、開発者の権利を保護≦
8.アプリケーションのアップロードも簡単。短い期間でアプリの承認が取得できる。
提供アプリ:
【ジャンル】ゲーム/音楽・スター/占い・エンタメ/ニュース・生活/語学・教育/ユー
ティリティ/漫画・電子書籍/画集/着せ替え/動画(※2012年開始予定)
対応端末:スマートフォン※順次拡大予定
【docomo】 GALAXY S II SC-02C、Xperia acro SO-02C、Xperia ray SO-03C、P-07C、GALAXY S T SC02B、GALAXY S II LTE SC-03D
【au】 Xperia acro IS11S、MIRACH IS11PT、REGZA Phone IS11T
決済方法
楽天安心支払サービス、auかんたん決済、WebMoney,クレジットカード決済
「qiip」は、2011年11月29日よりサービス開始となる。配信当初は、1974アプリを用意、半年先には4000アプリの提供を目指すと言う。その後も次々に増やしてゆく予定との事。日本のデベロッパーとしては、GURE、NHNをはじめたくさんの事業者が参入予定だという。 |