ディストームブースの主力展示は、マルチ入力ライブストリーミングシステム
「TriCaster」
の新製品、「TriCaster 450 EXTREME」「TriCaster 850 EXTREME」で、ステージデモ、ブース展示ともに多くのリソースを用いていた。
「TriCaster EXTREME」シリーズは、従来の「TriCaster」シリーズにマルチトラック、マルチフォーマットのレコーディングが可能な「IsoCorder」機能および「AirPlay」に対応したワイヤレス入力機能を搭載し、スイッチングからストリーミング配信までを1台の機器で実現できるようになっている。また、オーディオイコライザ機能も新たに搭載された。
「TriCaster 450 EXTREME」は、4入力+2ワイヤレス入力で2Uラックサイズのコンパクトモデル。収録時間やカメラ入力の数が上位モデルよりも少なくすることで、サイズ、重量をコンパクトにし、低価格化を実現したモデル。450/850ともに、ホットスワップ対応ハードディスクドライブを搭載し、素材の追加、収録データの受け渡しなどを必要な時にシャットダウンせずに行う事が可能。
「TriCaster 850 EXTREME」は、8入力+2ワイヤレス入力で4Uラックサイズのハイパフォーマンスモデル。200時間のHD収録が可能で、「IsoCorder」機能を使用する事で、8入力(カメラ)を同時録画可能。これ1台で放送局と同等のシステムを内包している。その他、電源の2重化などエクストリームな用途に必要な装備が充実している。
その他、「TriCaster」シリーズには、強力なクロマキー合成システム、バーチャルセット機能があり、グリーンバックなどを背景に撮影した場合、照明の影などが多少あってもキレイに抜いて合成する事が可能。バーチャルセット自体も幾つかのプリセットがインストールされている他、独自のセットを作成して使用する事も容易。
AirPlay対応に関しても、手持ちのiPad、iPhoneにて接続が行える事を確認させてもらった。これにより、AirPlay対応アプリから動画やプレゼンテーションなどのコンテンツをワイヤレスで再生する事が可能となっている。その他「iVGA」というエージェントを起動させたMacまたはWindowsPCのデスクトップ画面をネットワーク経由で入力する事も可能。
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Inter BEE 2011動画レポート:株式会社ディストーム「TriCaster EXTREME」 |
ステージデモでは、株式会社ジーマによる事例紹介や株式会社グロリアスによるバーチャルセットの活用術のほか、NewTek社のスタッフによる製品紹介などが行われた。
事例紹介では、「TriCaster」ならではの成功事例として、高画質、安定配信が求められる「NTTドコモの新製品発表会」の模様や、限定されたスペースでマルチカメラ配信を行う必要がある「映画グリーンホーネット ジャパンプレミア」「ABCクッキングスタジオの特別レッスン」などのバラエティ番組、屋外、迅速なセットアップが必要とされる「日本プロサーフィン連盟主催プロサーフィンツアー」などのスポーツイベントなどに関して、実際に配信を担当したスタッフが現場の苦労話も交え、「TriCaster」でなければ実現し得なかったポイントを紹介。コンパクトでオールインワンシステムである事の利点を、わかり易く説明していた。詳細は同社の事例紹介ブログ「TriCaster の現場から」にて参照できる。
バーチャルセットのデモでは、Xbox360のKinect センサーを利用して、モーションキャプチャーを行うLightWave用のプラグイン「Kinect Motion Plugin」を利用した実写とCGのリアルタイム合成のデモも行われた。多様なステージデモは毎回多くの人を集めていた。 |