1週間前にスティーブ・ジョブズ氏の逝去という訃報もあり、11月7日の予約時にも多くの人が予約に訪れたと言う。今回、イベント開始のタイミングで、列は約200人、報道陣も100名以上詰めかけた。
イベントの冒頭では、
徹夜で並んでいたと言う人々のインタビューがあった。中にはスーツ姿の男性もおり、購入後にそのまま会社に行くと言う事で、スーツ姿で夜を明かしたとの事。カウントダウンに先立ってソフトバンクの孫正義社長が登場。「スティーブの作品であるiPhone 4Sを一人でも多くの人に届けたい」「iPhone 4Sの4Sは、for Steveだ」など、iPhone 4Sへの想いを熱く語った。
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自らもiPhoneユーザだと言う
フリーアナウンサーの西尾由佳理さん |
今、iPhone 3GSを使っているんですが・・・
iPhone4Sにしないと損(孫)ですよ! |
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カウントダウンで祝砲とともにオープン! |
満面の笑顔で迎える孫社長 |
フリーアナウンサーの西尾由佳理さんが登場し、トークセッションが行われた。自らもiPhoneを使用していると言う西尾さんは、今、iPhone 3GSを使用しており、iPhone 4Sの機能に興味を持っていると言うと、孫社長はすかさず「今ならiPhone 3GSの残債は無料ですから、すぐにiPhone 4Sにしましょう、しないと損です!」と猛アピールした。 その後、カウントダウンとともに祝砲が上がり、大きな拍手の中、次々と予約者達が入場していった。
しかし、いっこうに契約者が現れない。当初5〜10分で最初の契約者が出てくると言われていたが、30分以上経過しても現れない状況に報道陣からも状況を求める声が上がり始めた。Twitterでは、ソフトバンクの契約システムがダウンして処理ができないというツイートが飛び交い、情報が錯綜した。最初の契約者が現れたのは、実に40分を過ぎた頃。契約者を迎えるために少し前に現れた孫社長は、かつて無いほどに厳しい表情だった。
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最初の契約者と握手する孫氏 |
心無しか笑顔も引きつっているよう |
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「孫さんはKDDIの上を行ってくれると信じてる」「嬉しいなぁ〜〜(孫)」 |
その後、場所を移して囲み取材が行われた。最初に、iPod Styleからの質問として、「スティーブの作品を一人でも多くの人に届けたい」という思いに対して、KDDIの参入により、iPhoneとしての既存のパイでシェアを食い合うのではなく、フューチャーフォンや他のスマートフォンからの乗り換えなどでiPhoneユーザを増やしてゆく戦略、アイディアはあるかと言う事と、思いとは裏腹に、予約時、購入時にシステムダウンのトラブルが続いた事は、結果としてスティーブの作品を多くの人に届けたいという事が実現できなかったのではないか?という2点を訊ねた。
これに対し、孫社長は「iPhoneは、新機種のリリースのたびに右肩上がりで数が伸びている。ユーザは使えば使うほどその良さがわかる。KDDIの参入により、そういう人が増えるのは良い事ではないか。大変多くの人に予約、販売する事になり、当日にお渡しできない人が居ると言う事に対して残念に思っている。」という回答だった。その他の質問への回答としては、「auの参入により健全な競争ができれば良い」「ソフトバンクとしては以前からiPhoneを取り扱ってきた経験、ノウハウがある」「au版との違いは、形は同じでも技術使用が異なる」など、KDDI参入に歓迎を表明、先行者としての余裕も見受けられた。
今回、Apple Storeには800人以上、ソフトバンク表参道店でも200人以上の行列ができたが、iPhone 3G、3GS、そしてiPhone 4の時と比べても、行列自体は少なくなっていた。予約販売のみ(当日分の販売は無い)という事前情報もあり、予約をしているのであれば並ぶ必要は無いと判断した人も多かったのかもしれない。また、販売店舗が増えた事もあり、それぞれの判断で近所のショップに予約をした人も多かったのだろう。Apple Storeの行列は、スティーブ・ジョブズへの追悼の意味も大きかったのだと思う。
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Apple Storeには、サーバダウンによる
販売の一時停止がアナウンスされていた |
ソフトバンク版のiPhone購入予定者は
ひたすら待つ羽目に・・・ |
しかし、Apple Storeやソフトバンクショップにて並んでいた人々の中には、途中で諦めたり、徹夜で並んで先頭集団に居たのに入手できたのが夕方になって、という人も居たようで、今回のサーバダウンによる影響は、大きかったと思う。今回のトラブルによって、auへのMNP移行にも影響があり、一部ではauにもサーバトラブルが発生したという誤報も流れたほどだ。
今回、ソフトバンクにとってダメージが大きかったのは、auの予約システム、契約システムはほぼ問題なく処理を行えたと言う事だろう。今までは、iPhoneだから、予想以上の申込で、など弁解を行うことができたが、今後は同じ土俵で評価される事になる。接続スピードもだが、使用可能なエリア、サービスなど同じiPhoneであるからこそ、本来のキャリアサービスの質が問われる事になる。
ソフトバンクのiPhoneに対する貢献は非常に大きいものだった。iPhone 3G発売に際して、ソフトバンクでなければ日本国内で取り扱う事は不可能だっただろう。また、ソフトバンクが取り扱った事によって、iPhoneの魅力が充分に発揮された事は疑いの無い事実だろう。それ故に、だからこそ、サーバダウンなどというつまらない理由で評判を落とす事の無いよう、今後は充分に対策をする事を期待したい。 |