Cellebrite社のブースでは、携帯電話のデータを解析する携帯電話情報抽出装置「UFED」を展示しておりました。 Cellebrite社は、 イスラエルにあるサン電子の子会社だそうです。

UFEDは犯罪で使われた携帯電話の中にある情報をスピーディーに抽出し、簡単にレポート作成までこなすモバイルフォレンジック機器で、海外の情報機関、捜査機関では普及が進んでいる装置と言う事です。携帯電話は犯罪捜査において貴重な証拠品と位置付けられており、欧米で標準化されつつあるUFEDを、日本の捜査機関にも幅広くPRし、今後の犯罪捜査に大いに役立つ装置として紹介していると言う事でした。

携帯のアタッチメントとメモリモジュールを接続	Cellebrite社の担当者からはただならぬ雰囲気が

現在、世界で使用されている多くの携帯電話に対応しており、スマートフォンにも対応していると言う事です。フォレンジックの仕組みとしては、データ領域にアクセスして、情報をコピーするモードの他に、強制的にメモリダンプしてデータをコピーするモードも備えていると言う事です。

海外での実際の運用は、犯罪者やテロリストを確保した際に、即、この機械を使用してデータの抽出を行い、暗号か処理されたUSBメモリへコピー、解析班へ受け渡すという流れになっていると言う事です。現場では、ハンディターミナルと携帯電話のアタッチメント、USBメモリが入ったアタッシュケースのみを持ち込めば良いので、機動性に優れていると言う事です。

株式会社ニチオンのブースでは、NBC対策防護服および、防護服装着時の冷却を行うためのクーリングインナーの展示がありました。

NBC防護服は、外気を遮断して身体への汚染を防ぐと言う特性上、密閉式で中が大変暑くなります。そのような状況下で活動を続けるのは体力的に困難ですので、長時間の作業を行う場合には冷却を行う必要があります。 今回展示してある冷却ベストは、着用前に濡らして着る事により、気化冷却効果を得る事が出来るクーリングベストおよびキャップ（ベレー）となっています。

防護服の方は、吸着缶（キャニスター）を４つ取り付けられるようになっており、空気ボンベタイプよりも大幅な軽量化になっております。また、複数の吸着缶と軽量化により、長時間の作業も可能になりました。防護服の着脱をせずに長時間の活動が出来る利点としては、防護服の着脱時に汚染物質の除去、洗浄を行う回数を減らせるので実働時間が延びる、ということと、着脱時の事故による偶発的な汚染の可能性を減らす事が出来ると言う事にあります。

ウェスタン・リンク社のブースでは、イタリア製の除染剤や除染機器の紹介がありました。

NBC汚染された際に、洗浄を行う場合が多いのですが、単なる洗浄の場合、洗浄水が汚染されたままで、回収、処理にコストと手間がかかってしまうと言う事です。使用された汚染物質の成分があらかじめ分かる場合には中和剤で無毒化する事が出来る物もあるそうですが、成分の判別に時間がかかり、汚染地域に即展開できないという問題が残ります。

同社の除染システムは、あらゆるNBC汚染物質に対しての除染能力を持っており、汚染地域に即展開し、無毒化する事が出来る特殊な除染剤を使用する事で、２次汚染や処理の問題を考慮せずに迅速な除染活動を行えるのが特徴だそうです。

エム・エー・ジェー株式会社では、ミリ波を使用したボディスキャナーなどの展示がありました。

米国ブリジョー・イメージングシステムズ社製で、ミリ波パッシブ物体検知・所持品スキャナー装置。危険物の持ち込みの他、盗難対策などに使用できるとの事。

拳銃などの金属類は当然検知	液体入りの袋も検知

検知対象は液体、固体、半固体、粉体、プラスチック、粘土等爆発物、金属、刃物、CD等々で、上着などで隠していても検知する事が可能な性能を持っているそうです。

上着などで覆っていても検知可能	プラスチック製の銃も検知可能

ポニー工業株式会社では、X線超音波のスキャナーの他、ポータブル金属探知ゲートなどの展示をしておりました。

ポータブル金属探知ゲートは、１セット50万円ほどで、イベント時などのセキュリティ用途で使用する事が多いそうです。バッテリー駆動可能で、4、5日のイベント期間であれば充電池で対応できる容量を持っているそうです。

日本海洋株式会社では、水中探査機器や潜水装備などの展示がありました。

ブーツにもレースやソールに工夫が	従来のドライスーツよりも柔軟で動きやすい

非常に柔軟で薄い素材で仕立てられており水中での動きが容易い最新のドライスーツも展示されておりました。ファスナー部分も従来製品より滑りがよく、前部にあるため、一人での着脱が容易になっているほか、フィンを脱いだあとの行動がしやすいように工夫されたブーツなど、海洋調査に便利な作りになっておりました。価格は、一般的なドライスーツとほぼ同価格と言う事です。

その他展示

マグカップの中にカメラがあるが穴は空いてない	ペンやサングラスに仕込まれたカメラ類

その他会場では、映画に出てきそうな隠しカメラ、仕込みカメラ、録音装置なども多く展示されておりました。その中の一部は、秋葉原のショップで見かけたり、売られたりしている物に近いものもいくつかありました。

爆発物処理用のロボットはいくつか展示されており、デモンストレーションも行われておりました。

ロボットには処理用アームが付属されており、その先に作業用マニュピレータ、LEDライト、カメラなどが装着されている製品が多くありました。