スリーエムヘルスケアのマスクおよびレスピレーターは、微粒子を捕集できる高い性能を持ち、使い捨てタイプから長時間、繰り返し使える耐久性のあるタイプまで幅広いラインナップがある。
いわゆる、インフルエンザ用マスク、とか防塵マスクと呼ばれるものは、このようなタイプになるかと思う。多くのメーカーで取り扱っているマスクもこのような形状のものが多い。カップタイプは、ホームセンターや工事関係者のためのワークショップにてメーカーを問わなければ数タイプ取り揃えてある。今回は、このタイプの紹介は簡単に行うにとどめておく。
折りたたみ式の「N95マスク」は、排気弁付きの9211と排気弁なしの9210がある。排気弁がない方がコンパクトに収納でき、見た目の仰々しさも無いが、実際に装着すると気密性の高さにより、マスク内の湿度が上がり不快感が増してしまう。通常の呼吸で数十分もすると湿気が気になりだし、1時間を過ぎたあたりから呼気の湿気が液化して不快感が増大する。排気弁付きの9211であれば、マスク内にこもってしまう湿気を排出することができるので、不快感を感じるまでの時間が長くなる。
昨年参加してきた「『思い出サルベージアルバム・オンライン』洗浄複写会」では、この「N95マスク」を初日に使用した。被災し、津波に流されたアルバムは、泥にまみれており、作業エリアには乾いて粉塵となった泥の粒子が漂っていたからだ。それほどハードではない作業を半日行ったが、排気弁のおかげで不快に感じるまでにはならなかった。なお、正しく装着しないとN95マスクは本来の性能を発揮できないので、3M社の「防護マスク装着方法」のページを参考に正しく装着してほしい。
「『思い出サルベージアルバム・オンライン』洗浄複写会」2日目は、「6000DDSR/2091-RL3」を使用した。元々は、「 ITちゃんイラスト入りiPhoneケース&DSiケース」の制作のために購入したものだったが、使い捨てのN95マスクと比較して非常に呼吸がしやすい。また、交換フィルターや吸気缶と呼ばれる清浄フィルターを交換する事で、長時間プラモデルの塗装を行うための作業、臭いがきつい場所での作業など通常のマスクでは対応できない場所、状況での作業を行うことができる。
フィルターも内部の排気弁などの部品も、交換したり、洗浄する事で繰り返し使用する事ができる。粉塵の多い場所で長期間作業する人や、家庭内で粉塵(塗装)などを行う趣味がある人は、こちらを使用するのが経済的だろう。粉塵などが舞う中を避難したり、片付けや復旧作業を行う場合には、花粉症用のメガネや防塵メガネ、ゴーグルなどと併せて使用するのがよい。装着は、後頭部にホルダをあてて、ゴムひもでマスクを密着させるのでフィット感が高い。専用の防塵マスクは、フィルタ径以外の部分は通気性は無いので気密性が高い上に、フィルタ自体は大型で左右にひとつずつあるので、フィルタ精度(集塵性能)を高めても呼吸がしやすいという利点がある。
3Mの6000防護マスク6000シリーズの最も防護性能の高いマスクが「6000F」だ。顔全体を覆う全面体タイプでシリコン製フレームが顔にフィットして、ポリカーボネイト製のレンズが広い視野を確保している。呼吸器部分は「6000DDSR/2091-RL3」とほぼ共通で、鼻と口の呼気がダイレクトに排気口へ向かうようになっているので、マスク内も曇りにくい。眼鏡着用者用に、眼鏡アダプタが同梱されているので眼鏡着用者にも親切な設計。6000シリーズ共通のフィルタが使用できるので、目的に応じたフィルタ吸気缶を使用する事で、多くの状況に対応することができる。顔全体を覆う全面体なので、目を保護する必要がある際にもゴーグルは不要。
マスクの用途としては、飛沫を防止する(唾液や自身の感染物質を飛散させない)目的と、暴露(花粉や汚染された微粒子などを吸い込まない)防止の2つの目的がある。飛沫防止のためには、昔からある伝統的なガーゼのマスクや使い捨てで安価なサージカルマスクなどでも十分機能する。しかし、暴露防止用途としては、吸入を防ぎたい微粒子をフィルタできる素材と装着した隙間から侵入しないフィット感が求められる。防災系の展示会でサンプルを入手していくつかのマスクなどを試しているが、各社それぞれ工夫が凝らされて気密性を高めている、その中でもスリーエムヘルスケアの製品は入手のしやすさと性能、価格のバランスがとれていると思う。
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