大震災などの大規模な非常時に限らず、火事や落雷、強風、豪雪などで送電線が切断されたり、変電所に被害が生じて停電となる可能性は大いにある。震災の際には、電気が最も早く復旧するとも言われているが、現代の生活では、ガス水道であれば、あらかじめ備蓄したり、代替手段もあるので数日〜数週間供給が止まってもさほど困らないが、電気は備蓄に不向きな上、電気で動く製品が多いので、数日の停電でも生活に支障を来す可能性もある。非常時に電気を供給する機器として、思い浮かぶのは発電機であるが、ガソリンや軽油などの揮発油を使用するタイプでは、燃料の品質が備蓄している間に劣化してしまったり、機器のメンテナンスが必要など、取り扱いが非常に大変という問題がある。今回紹介する「Honda カセットガス発電機 エネポ EU9iGB」は、品質の劣化がおきにくい家庭用ガスコンロのガスカートリッジを使用し、ほぼメンテナンスフリーで使用できる持ち運び可能な発電機。従来の発電機の課題を解決した非常用としても、アウトドアなどのレジャーとしても便利に使用できる。
従来の発電機は、ガソリンや軽油などを燃料とするので、臭いや汚れ、使用後のメンテナンスなどが課題で、夜釣りを楽しむ人など余程でない限り導入する人は居なかったが、「Honda カセットガス発電機 エネポ EU9iGB」は、家庭で使用するカセットコンロと同じガスボンベを使用するので、燃料の劣化も無く、臭いや音も格段に抑えられているのが特徴。
出力やバリエーションは、ガソリンや軽油などの燃料を使用する発電機よりも少ないが、900VAの出力はノートPCの充電、小型冷蔵庫などキャンプで使用する機器やモバイルガジェットの充電、給電には十分な出力だ。もう一台を並列接続する事で、最大1800VA(コンセント一口あたり最大1500VA)まで対応するので、その際は、ホットプレートなどの使用も可能になる。消費電力の目安などに関しては、HONDAの製品ページを参考にすると良いだろう。900VAは900W相当に置き換える事ができるので、一人暮らしまたは少人数世帯で20Aの契約で暮らしていた場合、自宅で使用している家電製品の1/2弱程度が動かせると考えてよいだろう。2台用意して並列で動かした場合、20Aで暮らしている世帯であればほぼ平常通りの電力を供給できるだけでなく、15Aで生活していたとしたら、普段通りの電力を補ってあまりある状態だ。
取り扱いは、非常に簡単。本体カバーを開けてガスカートリッジを取り付け、本体に記載されている通りの手順で操作すれば、誰でも簡単に発電を開始することができる。燃費は、フルパワーで1.1時間、最大で2.2時間の連続稼働が可能。フルパワーで24時間使用し続けるには、約44本必要となる。「エコスロットル」をONにすると、使用電力に応じて自動的にエンジンの回転数を調節し、燃費を向上させてくれる上に、エンジン音も小さくなるので、一石二鳥だ。ガスカートリッジが大量に必要になるように思われがちだが、カセットコンロやカセットストーブなど同じガスカートリッジを使用する器具は多くある。普段から鍋などをやっている家庭であれば、多めに買い置きがあるという感じだろう。
本体には、折りたたみ式のハンドルと大型のキャスター(タイヤ)が付属しており、持ち運びも容易になっている。乾燥重量で19.5kgと比較的軽量な上、キャスターにより持ち運び時の負担は軽減されている。ハンドルを収納すると、凹凸のない長方形に収まるので、コンパクトに収納できる。保管時に邪魔にならない他、キャンプなどで車載する際にも収まりが良い。液体燃料を使用しないので、横置きにも対応。
本体価格は99,800円(税抜)と気軽には買えない価格ではあるが、アウトドアのレジャーを楽しむ人であれば、キャンプや釣り、お花見などで活躍する事だろう。年に数回しか使用しないとしても、面倒なメンテナンスも不要で、万一の際への備えにもなる。冬であればコタツやホットカーペット、夏であれば扇風機など健康や生命に関わる機器が必要な人、仕事でPCが必須な人など業務を止められない人、その他今や電気は生活には不可欠になってしまっている中で、大規模な停電があった場合に生活に支障が生じる人にとっては、高くはない投資(保険)と言えるのではないだろうか?防災用として考えている人であれば、コンロや暖房なども同じ規格のガスカートリッジを使用するものを選んで揃える事で、燃料効率が良い(備蓄する燃料の種類を少なくすることができる=効率の良い備蓄が可能)防災体制を整える事ができるだろう。
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