「SRH240」は、リーズナブルな価格帯ながら、映像や音楽制作などのモニター用途にも使用できるヘッドホンである。今回のレビューに際して、100時間ほどのエージングを行ったところ、50時間を超えるあたりから良く鳴るようになってきて、100時間を超えた時点ではかなり安定した音となったように思う。
ヘッドホンの特性としては、高解像度で分離感に優れており、ステレオ感がよいといったモニターヘッドホンとしての仕様は満たしている。Shureの中ではエントリーモデルと言う事で、ヘッドホンケーブルが左右独立、プラグサイズの変換コネクタがメッキ仕様でない、ヘッドホンハウジングなども片側使用が可能な機構などは省かれているなどコストダウンが計られている。ヘッドホンのテンションも若干強めなので長時間使用する際は、適宜休息を挟むなどコンディションを保つ心がけが必要だ。
しかしながら、プロ仕様(品質)のヘッドホンが非常にリーズナブルな価格で提供されている事の意義は大きい。制作現場におけるヘッドホンの役割は、映像や音響などの制作、編集などをチームで行う際に、全員が同じ音で作業すると言う事と、それぞれの音をきちんと聞き分ける事にある。モニターヘッドホンとして日本において標準的なSONYのMDR-CD900ST
は、市場価格で約15,000円〜20,000円程度。SRH240は、その約半分程度の価格で人数分揃えられるので、このコストパフォーマンスは絶大だ。
実売で7,000円前後の価格ながら、プロフェッショナルオーディオのブランドを傷つける事の無いクオリティは、価格以上の満足感が得られる。モニター用途だけでなく、iPodなどでの音楽鑑賞用としてもコストパフォーマンスの良いモデルと言えるだろう。たまにはじっくりと音楽を聴きたいという人や、iMovieやGarageBandなどで映像や音楽を編集するという人にオススメのモデルといえる。
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