株式会社セイワのFP2「M126」は、充電しながら音楽再生や通話が可能な、 iPhone / iPod用ホルダー一体型FMトランスミッターだ。

短めのフレキシブルアームの先に90°の可動範囲を持つトランスミッター本体がついている。本体に向かって左側面にはチューニング用の+−ボタンがあり、反対側にはプリセット周波数を呼び出すためのQSボタンがあり、本体下部には3.5mmステレオミニプラグ入力がある。ちなみに、運転中に通話をカーステレオから流したい場合は、iPhoneであってもこのステレオプラグをつなげなければならないそうだ。

本体上部にはiPhone固定用のクッションとゴムローラーがついており、iPhone本体への気遣いがみられる。特に、ドーム状に見えるクッションはゴム無垢ではなく中が空洞になっており、指で押すとクネリとへこむ。運転中の振動を考えるとこのような柔らかな固定方法は安心感が持てる。
ドックコネクターにも一工夫があった。横から見るとよくわかるが、ドックコネクター部分が可動式になっており、装着する際と取り外す際にはiPhoneが「お辞儀」をするような形になり、装着・脱着ともに非常にやりやすかった。ドックコネクターに差し込みiPhone上部を軽く指で押し込んでやると、本体側のゴムローラーが回りiPhoneを先ほどのゴムクッションへと導く。なかなか気の利いた作りであった。

もう一点感心した点は、車に取り付ける側のシガーソケットプラグ。こちらにも差し込んだ後に、ねじ込むことによって固定するためのネジのような可動部が設けられている。峠道など横Gのかかる状況でコーナーの度に振り子のようにiPhoneが振られまくる、といった情けない羽目にならずにすみそうである。
車に取り付けてみると、フレキシブルアームが少々短いので、セッティング場所の自由度はさほど高くない。各ジョイントも堅めなので、安心感はあるが気軽にほいほいと位置を変えやすいとは言えない。縦位置と、横位置それぞれを試してみる。横位置にするとジョイント部分の問題で少々助手席側にiPhoneが寄ってしまう。しかし、乗車中にランドスケープモードを使う機会は少ないと思われるのでさほど気にすることはあるまい。 肝心の電波強度と音質。これが一番気になるところ。
ちなみに、今までドック式も3.5mmプラグ式も様々なトランスミッターのお世話になってきた(当時はCDウォークマンからiPodまでなんでも使っていた)ので、比較対象は割と豊富なつもり。 まずは音質。これは予想以上によかった。FM波とは思えないくらいに解像度もあり音の切れもがんばっている。そして特筆すべきはホワイトノイズの少なさ。小音量の音楽をかけているときなど、車両側のボリュームを割と上げていくわけだが、その際の無音部分に乗るノイズが非常に少なく耳疲れもせず心地よく楽しめる。音も特定の周波数にブーストをかけるわけでもなく、忠実に変換している印象。音質は今まで使ってきたトランスミッターの中では出色の出来であった。 電波強度も十二分に確保されていて、街中ですれ違う車にも街中のノイズにも負けず、安定して動作し続けた。ここしばらくの使用で電波に問題を感じたことは一度も無く、非常に安心感がある。

さらに細かな点だが、一つ非常に気に入っていることがある。本体下部に、周波数や電波状況を表示するインジケーターがあるのだが、これが絶妙の輝度に設定されている。正直なところ、直射日光下では見えにくいのだが、夜間ドライブにおいてその控えめな光り方が真価を発揮する。一般的なカー用品に仕組まれたLEDは眩しすぎて夜間運転においては邪魔でしかないものが多いが、コイツは完璧な視認性と気にならないギリギリの明るさで光るのだ。なかなかこういった所まで気を配った製品は少ないので、ここは非常に気に入っている。
さて、大枠でベタ褒めに近かったが、一つだけいただけない点があった。これは、商品側の問題というより車側の問題なのだが、今回のレビューで使用したプジョーはシガーソケットがテーパー状に窪んだ奥にある。これが、取り付けアームと部分的に接触してしまうのだ。せっかくの根本で固定するためのネジが干渉して逆に固定を半端なものにするのだ。おかげで高速コーナーなどではiPhoneが明後日を向いてしまいその都度手動で直す羽目になった。現在はテープで固定してズレないように対策をしているが、購入前に一度自車のシガーソケットの形状と位置を確認することをお勧めする。アームが短めなのでシガーソケットから20cm程のところにiPhoneが来るのをイメージすればほぼ問題はないと思う。その位置関係が良好であるならば、このトランスミッターは大いに役に立つことは請け合いである。※また、後日レビュー予定の「M125」は、ダッシュボードやエアコン吹き出し口取り付けが可能なので、こちらも検討してみてはどうだろうか?

実売で6,000円前後、これだけでの性能、使い勝手を考慮すると、お買い得。蛇足ながら追記すると、この商品は12Vだけでなく24Vにも対応しているので、一部のアメ車乗りや、トラッカー、仕事柄でレンタカーをよく使うような人にもお勧めである。欲を言えば、「Made for iPodおよびWorks with iPhone」対応であると申し分ないと言う事だろうか。
→ Amazonで購入 / 楽天で購入
レビュー・写真:塚本敬 |