PIP-TRC本体は70cm弱のケーブル(ドックコネクタ付)が一体化した構造。約1mコード長のカナル型イヤホンが付属するが、こちら側はミニジャックによる着脱式。オールインワンパッケージでお得感はあるが、イヤホンの音質は可も不可もなく。iPodに付属する純正イヤホンから敢えて替えるアドバンテージはないように思う。ただ、iPodに付属する純正イヤホンは白だけなので、PIP-TRC(黒のみ)と組み合わせるのはバランスが悪い。iPod touchと組み合わせても馴染むのは嬉しいところ。
さて、つぎにPIP-TRCの主用途であるコントローラーとしての機能をみてみよう。 5.7センチx2.7センチの小さなネームプレート風の本体は表面にタッチセンサー型のリモート操作系、側面にホールドとUSB端子スライドレバー(後述)が配置されている。リモート可能なのはボリューム(上下)、再生、ストップ、曲スキップ(前後)と早送り(巻き戻し)で、アルバムのスキップ機能はない。ここがアルバム単位で聴く習慣のユーザーには残念な部分で、アルバム最後の曲が終わったら次のアルバムに移るわけではない。ミニアルバムの多いユーザーはプレイリストにまとめておいた方が良いだろう。
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胸元などに留めるのに便利なクリップ |
ボタンをタッチするとLEDが点灯 |
iPodをポケット等に入れたまま、手元、あるいは胸元で操作できるのは非常に快適。特にボディが大きめな上に触感で操作できないiPod touchとは相性が非常に良く感じる。 タッチセンサーゆえ、物理的な押した感触が返ってこないのは寂しいところだが、センサーに触れるとセンサーボタンが赤く点灯し、レスポンスを返すのが美しい。ただし、光るのはセンサーボタン(5つ)全部で、押したものだけが個別に光る訳ではなく、また、光る反応は一拍遅れる感があるのは残念だ。また、タッチセンサーの感度が鋭敏で、指が軽く触れただけで反応するため、意図しないスキップも発生してしまう。
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センサーボタンをロックするHOLDスイッチ |
スライド格納式USBコネクタ |
これらの対策の意味もあってか、側面のホールドスイッチでセンサーボタンをロックできる。このホールドスイッチをうまく使うのがPIP-TRCを気持ちよく使うポイントだろう。 なお、ホールドスイッチの反対側にあるスライドスイッチで、USB端子を出すことが出来る。PIP-TRCを脱着せずにMac(あるいはPC)と接続できるのも便利だが、出先にドックコネクタ-USBケーブルを持ち歩かずに済むというのも大きなメリットか。
実売5000円を切るセットながら機能的、デザイン的にもこなれていてコストパフォーマンスは高い。個人的には音量調節はハードウエアボタンにして欲しいところだが、総合的な満足感は高い。
協力:mono-logue |